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Wednesday, November 17, 2021

「待ったなし! 職人の技と原材料の確保」(ここに注目!) - nhk.or.jp

文化財の修理や保存で使われる全国各地の伝統技術を紹介する催しが、11月20日、21日に東京・秋葉原で開かれます。

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【伝統技術を紹介する「日本の技フェア」】
文化庁が主催する「日本の技フェア」という催しでは、日本の優れた伝統技術の数々が紹介されます。
例えば、世界遺産として知られる広島県の厳島神社などの建築物の屋根には、ヒノキの立木からむいた薄い皮が何枚も重ねて葺かれる日本の伝統的な技法「檜皮葺(ひわだぶき)」が用いられています。
この檜皮葺のほか、仏像などの木造彫刻、お城の石垣の保存技術、手すき和紙の製造など、それらの技を1つの会場に集めて、実演やパネルなどで紹介しようという催しです。
実は、この催しが開かれる背景にあるのが、文化財の保存の危機的状況です。

【文化財保存の危機的な状況とは】

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1つは、高齢化などによる担い手不足の問題です。
例えば、甲(かっ)冑や木工品の修理など、特殊な作業に携わる人は、文化庁から「選定保存技術」の保持者に認定されていますが、高齢の方が多く、甲冑の修理にあたる職人の場合、跡を継ぐ人のメドがたっていないということです。
また、檜皮葺の屋根の場合、伝統的な工法では金属の釘を使わないので、竹で作った竹釘が用いられるのですが、この竹釘を作る職人が少なく、現在は兵庫県にある会社1軒のみが製造しています。

また、原材料の確保も深刻な問題です。
例えば、掛け軸の修理では、複数の薄い和紙が裏側に使われるのですが、その和紙を作る過程で使われるトロロアオイという植物の生産量が減っています。トロロアオイは、根っこに含まれる成分が和紙の原材料の1つであるコウゾの繊維をつなぐ重要な役割を担っています。
ところが、栽培に手間がかかるわりに農家の収入は低く、高齢化もあって、国内での生産量が昭和40年代の100分の1ほどにまで減っています。

つまり、文化財を修復しようにも、治せる人や材料が十分ではない状況なのです。

【文化財を守っていくために】

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このため国は、来年度から人材を確保するため、材料費など、経費の一部を補助する「選定保存技術」の対象を拡大するほか、後継者の研修手当を支給する計画を検討しています。
11月20日から東京・秋葉原の「ベルサール秋葉原」で開かれる催しには、全国の34の団体がその伝統技術を紹介します。
少しでも今の危機的状況を知ってもらい、社会全体で文化財をまもる意識を高めるきっかけになることを期待したいと思います。

(名越 章浩 解説委員)

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