トヨタ自動車系の中堅部品メーカー５社が２７日発表した２０２２年３月期連結決算は、トヨタなどの販売台数が回復したことを受け、全社が増収を確保した。２３年３月期も、さらに市場の回復を見込んでいるが、原材料費の高騰は、利益の下押し要因となっている。
売上高は、フタバ産業が前期比２２・６％増となり、過去最高を更新した。また、東海理化は１０・７％増、中央発条は１０・０％増で、国内でコロナ禍が深刻化する直前の２０年３月期の水準まで、ほぼ回復した。売上高の増加は、各社の利益を押し上げ、円安によって海外で稼いだ利益を円換算した金額も膨らんだ。
ただ、原材料費やエネルギー価格、物流費の上昇は、経営の重しになっている。東海理化は、本業のもうけを示す営業利益が３４・４％減の９２億円だった。原材料価格の高騰は７８億円分の下押し要因になったという。販売価格の変動などでフタバ産業も、営業利益、最終利益は前期を下回った。
売上高を押し上げた円安についても、「輸出によるプラスよりも、輸入する原材料、エネルギーへの影響の方が強い」（大豊工業の河合信夫・取締役執行役員）との声も出ている。
原材料費やエネルギー価格などは高止まりするとの見方があるほか、コロナ禍の収束する時期も見通せない。大豊工業は２３年３月期の業績予想の公表を見送った。中央発条も、最終利益は１１・２％減の１６億円にとどまると予想した。
トヨタ系部品５社増収…３月期 原材料高騰で利益圧迫 - 読売新聞オンライン
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