和傘作りに欠かせない部品「ろくろ」の原材料エゴノキの苗木が二十七日、岐阜市の加納小学校に贈られた。安定してエゴノキを収穫するための「エゴノキ・プロジェクト」の一環で、児童が育てて岐阜の伝統工芸品の継承に一役買う。
ろくろは数十もの溝で、骨組みを束ねる基幹部分。細かく切れ込みを入れても崩れないよう、加工がしやすく頑丈なエゴノキが使われる。現在、ろくろを生産しているのは岐南町の長屋一男さん(72)のみ。さらに、和傘用のエゴノキの生産者もいない。こうした現状を打開するため、岐阜和傘の発祥の地とされる加納地区で子どもたちに興味を持ってもらい、伝統を支える一員になってもらおうと、エゴノキを小学校で育てることになった。
この日は児童が苗木六十本を長屋さんから受け取った。今後は約六十人の五年生が土の様子を毎日見ながら育てていく。一、二年をかけて生育した苗木は美濃市の山林に植樹する予定。
苗木を受け取った糸井川弥花さん(11)は「大切に育ててもっと和傘のことが知られるようになったらいいな」と楽しみにしていた。長屋さんは「興味を持って手伝ってもらえて、とてもうれしい。エゴノキをしっかりかわいがってやってほしい」と後押ししていた。
同様の取り組みは同じ地区の加納西小学校でも始まり、数十本の苗木を育てている。
(向川原悠吾)
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