原材料価格の高騰や急激な円安の影響で、障害がある人たちがパンなどを作っている水戸市の施設では製造コストが大幅に上昇し、このままでは働いている人たちへの支払いの額を維持するのが難しいとして、来月から商品を値上げすることにしています。
水戸市にある「知的障害者就労支援施設みのり」では、就労支援の一環としてパンやクッキーの製造、販売を行い、その利益から働いている人たちに「工賃」を支払っています。
新型コロナウイルスの影響で売り上げは一時、大きく落ち込みましたが、先月の売り上げは80万円あまりと、感染拡大前の9割ほどにまで回復してきているということです。
一方、施設が頭を悩ませているのが、原材料価格の高騰や、急激な円安による製造コストの上昇です。
施設では材料としてアメリカ産の小麦粉を使っていますが、この半年で1割、値上がりし、砂糖や包装資材などの価格も上がっているため、売り上げは回復してきているものの利益率は減少しているということです。
働いている人たちに支払う工賃はほかの事業で得た利益を充てるなどして維持してきましたが、このまま原材料価格の高騰が進めば工賃を下げざるを得なくなるとして、施設は来月から、パンの大半を1割から2割、値上げすることを決めました。
木下宏美施設長は「工賃をもらうことは働いた喜びを得ることにつながるので、下げることはしたくないと強く思い、これまで経費削減にも努めてきたが、今回、苦渋の決断で値上げすることにした」と話していました。
原材料高騰や円安で就労支援施設がパンなど値上げへ|NHK 茨城県のニュース - nhk.or.jp
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