原材料価格の高騰や円安に歯止めがかからない中、建設現場に欠かせない資材の一つである生コンクリートにも値上げの波が押し寄せている。佐賀県生コンクリート協同組合(福岡桂理事長、11社13工場)は、来年1月1日以降の新規契約分から1立方メートル当たりの単価を4千円引き上げ、平たん部で1万9千円、山間部で2万円とすることを決めた。大小を問わずさまざまな建設現場に用いられている資材だけに、幅広い影響が出そうだ。
同組合によると、セメントの原料である石灰石を焼成する際に用いる石炭はロシアからの輸入が主だったが、ロシアのウクライナ侵攻以降、調達先をオーストラリアなどに切り替えたことでコストが増しているという。
10月からセメントは1トン当たり3千円、コンクリート用砕石が同1千円値上がりしているほか、ガソリン価格の高止まりもあって輸送コストも組合加盟社の平均で4月に比べて約4割上昇している。同組合が試算したところ、人件費や設備の更新、維持管理費用を勘案すると1立方メートル当たりの原価は2万600円に上った。
組合の理事会で協議し、4月にも1立方メートル当たり2千円の値上げを実施していたことなどを加味し、今回の値上げ幅は4千円にとどめたという。9月に県建設業協会(松尾哲吾会長)に価格改定を申し入れたほか、県内の地域ごとの建設業協会も回り、理解を求めた。10月19日には公共工事の発注元の一つである県とも懇談し、業界の現状を説明した。
開発行為の減少などもあって同組合の生コン出荷実績は1995年度の124万立方メートルから、2021年度は30万立方メートルと約4分の1まで減っている。
福岡理事長は「世界的な経済の影響が地方にも表れている。原材料などの上昇分はとても生コン業界内で吸収できるものではなく、事業の継続に関わる問題」と話し、理解を求めた。(大橋諒)
佐賀県生コン組合値上げ 原材料高騰、建設資材にも影響 | 経済 | 佐賀新聞ニュース - 佐賀新聞
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