ウクライナ危機に伴う原材料価格の上昇に歴史的な円安が重なり、物価高を理由とした企業倒産が急増している。帝国データバンクによると、物価高による倒産は今年度上半期(今年4~9月)に159件発生し、年度ベースで過去最多だった令和3年度(136件)を既に上回った。原材料やエネルギーの輸入コストが膨らむ中、価格転嫁が容易でない中小・零細企業を中心に物価高が経営体力を奪っている。
帝国データによると、今年度上半期の159件は、平成30年の調査開始以降で上半期として最多だった令和3年度上半期(75件)の2倍超。物価高による倒産は月間でも増えており、今年7~9月は単月での最多を3カ月連続で更新した。
今年度上半期の159件を規模別にみると、約7割が中小・零細企業だった。帝国データの担当者は「中小・零細企業の多くは、新型コロナウイルス禍で経営体力を消耗する状態がなお続いている」とした上で、「電気代の上昇や円安の進行も加わり、物価高の影響が徐々に本格化している様相だ」との見方を示す。
足元では円安進行に歯止めがかかっておらず、円相場は対ドルで約32年ぶりの水準に下落。円安は輸入品の調達コスト上昇につながり、物価高を通じて消費者心理にもマイナスとなる。
産業界では急激な円安への警戒感が強まっている。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は13日の記者会見で「円安でメリットを感じている人がいるんですか。製造業でもほとんどないと思う。メリットを感じている人の声が聞こえてこない」と述べた。
また日本商工会議所は12日、政府が月内にまとめる総合経済対策に向けて、エネルギー価格高騰への対策や、企業がコスト上昇分を価格転嫁できる環境の整備などを要望した。
「物価高倒産」が過去最多 原材料高と円安進行の二重苦 4年度上半期 - 産経ニュース
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