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Wednesday, January 4, 2023

【企業アンケート】国内景気、6割が「緩やかに拡大」 原材料高や海外減速を懸念 - 産経ニュース

東京都練馬区のスーパー「アキダイ」。メーカーの値上げを店頭価格にどれだけ反映させるかは小売店の悩みのタネとなった=11月

令和5年の日本経済はどんな姿を展望できるのか。産経新聞は主要企業119社に昨年11月下旬~12月中旬にアンケートを実施し、国内景気の見通しと、経営を取り巻く2つの課題、物価高、エネルギーの安定供給について聞いた。

海外経済に警戒感

新型コロナウイルス禍で滞った経済活動の正常化が進む中、国内景気に関しては比較的明るい認識が目立った。ただ、海外の景気減速や原材料価格の高騰など、コロナ感染再拡大以外にもリスク要因は多く、先行きの不透明感が取り払われたとは言い難い。今年も経営トップにとって気の抜けない場面が続きそうだ。

アンケートでは国内景気の現状について、全体(119社)の60・5%に当たる72社が「緩やかに拡大している」と回答。「足踏みしている」も37社あったが、「緩やかに悪化している」は7社、「悪化している」はゼロで、明るい見方が優勢となっている。

行動制限がなくなったことで、サービス業を中心に個人消費が改善。コロナ禍で先送りされていた企業の設備投資も堅調に推移している。入国制限の大幅緩和による訪日外国人客(インバウンド)消費の復活もプラス材料で、「ウィズコロナ下での経済活動により景気が持ち直していくことが見込まれる」(運輸)。自社を取り巻く環境について、35社はコロナ前の水準を「既に回復した」と答えたほか、計33社が5年中の回復を見込む。

5年度上半期(4~9月)についても、67社(56・3%)が現状に比べ「緩やかに拡大している」と見込んだ。

ただ、減速への警戒感は強い。大きな不安材料は海外経済の悪化による国内景気への下押し圧力だ。景気のリスクを問う質問(複数回答)では、77社が「欧米の利上げによる世界経済の減速」を挙げた。中国政府のコロナ政策の影響を懸念する回答企業も46社に上り、多くが海外経済の先行きを懸念する。

一方、90社は燃料を含む原材料高騰をリスクと指摘。日本の物価上昇率は欧米ほどではないが、エネルギーや食料の自給率が低いだけに楽観できない。中小企業などはコスト上昇分の価格転嫁が進まず、収益の圧迫要因となっている。

懸念材料として、原材料高騰の要因にもなっているウクライナ危機など、国際情勢の緊迫化を挙げる企業も46社と多かった。

物価高、価格転嫁は一部

原材料やエネルギーの価格高騰に、一時1ドル=150円台まで下落した歴史的な円安も加わり、昨年はコスト負担の増加に伴う企業の値上げが相次いだ。ただ、アンケートで価格転嫁を「十分にできている」と回答した企業はわずか9・2%で、過半の57・1%は「一部できている」という状況にとどまっている。

「売価アップを進めているが、素材や輸送費の高騰分すべてを吸収するにはいたっていない」(電機)といった企業は多い。また、価格転嫁は顧客や消費者が離れるリスクもあり、「お客さまが価格に敏感で、値上げは難しい」(自動車)、「発注者ごとの交渉となり、認められないケースもある」(建築)との指摘もあった。

企業間の取引価格の動向を示す企業物価指数の先行きについては、令和5年も「上昇が続く」(15・1%)、「高止まりする」(27・7%)との見方が合わせて4割超に上り、今年も値上げ圧力が続く見通しだ。ただ、26・1%は「5年前半に低下する」と見込むなど、企業物価の上昇の勢いは緩むとの期待もあるようだ。

円安については、輸入物価への影響などから「大いにマイナス影響」と「どちらかといえばマイナス影響」と回答した企業が計26・1%を占めた一方、「輸出事業の増益」(自動車)つながるため、「どちらかというとプラス影響」と「大いにプラス影響」と回答した企業が計44・6%に上り、業績全体に対してはプラスととらえる企業が多かった。

電力の安定供給に不安

政府はこの冬、電力需給が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるとして、全国の家庭や企業を対象に節電を呼び掛けている。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化でエネルギー調達の先行きが不透明な中、電力の安定供給に不安があるかを尋ねると、「大いにある」「多少はある」と回答した企業は計75・6%に達した。

供給不安に対する取り組みとして実施・検討している具体的な内容(複数回答可)は「省エネ強化」(81・5%)が最多で、太陽光や風力をはじめとした「自家発電設備の導入・増強」(29・4%)が続いた。

電力供給量の変動に合わせ、利用側がピークシフト要請に応じて行動を変えることで、使用量を制御する新たな仕組み「デマンドレスポンス」(需要調整)を導入する企業もみられた。

一方、国がベースロード(基幹)電源の一つに位置付ける原子力発電は、東日本大震災で全原発が運転停止となって以降、再稼働は遅々として進んでいない。

原発をどう扱うべきかを尋ねたところ、多かった順(無回答を除く)に「安全性が確認された既存の原発の再稼働」が31・1%▽「他の電源を確保し、中長期的に原発への依存度を低減」が13・4%▽「既存の原発のリプレース(建て替え)、新設・増設による供給力増強」が6・7%▽「既存の原発も含め、廃炉や稼働停止による脱原発の推進」が0・8%-。

化石燃料を使う火力発電は脱炭素の流れに逆行する上、原油高による価格転嫁も進む中、原発の再稼働や新増設への理解、推進の声は4割に近づく勢いで「産業競争力の確保実現に原発は重要」(商社)などの意見が挙がった。一方で「放射性物質の最終処理問題」(部品)が未解決であることなどを理由に、原発依存の低減を望む声もあった。

回答企業

IHI▽曙ブレーキ工業▽旭化成▽アサヒグループホールディングス▽味の素▽イオン▽出光興産▽伊藤忠商事▽ANAホールディングス▽SMBC日興証券▽NEC▽NTT▽ENEOSホールディングス▽MS&ADインシュアランスグループホールディングス▽大阪ガス▽オリックス▽花王▽鹿島▽川崎重工業▽関西電力▽キッコーマン▽キヤノン▽九州電力▽京セラ▽キリンホールディングス▽クボタ▽KDDI▽神戸製鋼所▽コスモエネルギーホールディングス▽コマツ▽コロワイド▽サッポロホールディングス▽サントリーホールディングス▽JR東海▽JR西日本▽JR東日本▽JFEホールディングス▽JTB▽Jパワー(電源開発)▽J・フロントリテイリング▽資生堂▽清水建設▽シャープ▽商船三井▽スズキ▽住友化学▽住友商事▽住友生命保険▽セイコーエプソン▽西武ホールディングス▽積水ハウス▽セコム▽セブン&アイ・ホールディングス▽ゼンショーホールディングス▽双日▽ソフトバンクグループ▽SOMPOホールディングス▽第一生命ホールディングス▽ダイキン工業▽大成建設▽大和証券グループ本社▽大和ハウス工業▽高島屋▽武田薬品工業▽中部電力▽T&Dホールディングス▽TDK▽ディー・エヌ・エー▽帝人▽東京海上ホールディングス▽東京ガス▽東芝▽東レ▽トヨタ自動車▽豊田通商▽日産自動車▽NIPPON EXPRESSホールディングス▽日本製鉄▽日本郵船▽日本航空▽日本生命保険▽日本たばこ産業▽日本マクドナルドホールディングス▽任天堂▽野村ホールディングス▽パソナグループ▽パナソニックホールディングス▽ファーストリテイリング▽ファミリーマート▽富士通▽富士フイルムホールディングス▽ブリヂストン▽マツダ▽丸紅▽みずほフィナンシャルグループ▽三井住友トラスト・ホールディングス▽三井住友フィナンシャルグループ▽三井物産▽三井不動産▽三越伊勢丹ホールディングス▽三菱ケミカルグループ▽三菱地所▽三菱自動車▽三菱重工業▽三菱商事▽三菱電機▽三菱UFJフィナンシャル・グループ▽村田製作所▽明治安田生命保険▽メルカリ▽ヤクルト本社▽ヤマトホールディングス▽ヤマハ発動機▽吉野家ホールディングス▽楽天グループ▽リクルートホールディングス▽りそなホールディングス▽ローソン▽ロート製薬(五十音順)

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