城南信用金庫(東京都品川区)が取引先の中小企業738社に今月実施したアンケートで、業況が「良い」との回答は昨年9月の前回調査から5.4ポイント増え、「悪い」が9.7ポイント減った。新型コロナの感染拡大に伴う行動制限がなくなり、飲食店にも客足が戻りつつある一方、客数減の懸念から、原材料高による値上げに苦慮している。(石川修巳)
品川区のイタリア料理店は「来店客は徐々に増えているが、団体客がまだ少ない」と説明。世田谷区の韓国料理店は「売り上げが回復してきたのに、原材料の高騰で収益減。値上げしたら、やっと戻った顧客が離れてしまう」と語る。
コスト増加分の価格転嫁に関して、「まったくできていない」「ほとんどできていない」の合計は32.8%だった。業種別にみると飲食業50.4%、運輸業45.5%の順に高かった。
焦点となっている賃上げを巡っては、「今年賃上げする予定」との回答は26.8%にとどまった。業種別ではサービス業34.8%、製造業32.2%、建設業29.4%、飲食業24.8%、卸小売業20.1%など。
ガソリン補助など、政府の物価高対策に関して「効果をまったく実感していない」「あまり実感していない」の合計は89%。「業種ごとに支援策を期待」(川崎市の電気器具製造)、「もっと危機感を持って」(大田区の部品加工)、「増税ばかりではなく、減税や免税も検討して」(品川区の半導体卸売り)などの声が寄せられた。
この調査は東京、神奈川両都県にある城南信金の本支店が1月10〜13日、取引先に聞き取りを実施。東京新聞が質問項目の作成、結果の分析を行った。
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