原材料などの価格高騰に苦しむ中小企業を支援するため、埼玉県は、主要な原材料価格の推移を簡単にグラフ化できるツールを開発し、ホームページで公表を始めた。県によると、自治体が公的なデータを使ってこうしたツールを無償提供するのは初めて。県は「企業が価格交渉をする際に役立ててほしい」としている。
ツールは表計算ソフトを使い、鶏卵やプラスチック板、ガソリンなどの原材料、機械リースや広告といったサービス計1420種類から必要な品目を選ぶと、2020年1月以降の価格推移がグラフ表示される。日銀が公表する価格を県が毎月更新。ツールをダウンロードした時点の直近のデータを利用できる。埼玉りそな産業経済振興財団に委託して開発した。
県内の経済団体から「発注元から価格推移のデータを求められ、対応が負担になっている」との意見が寄せられていた。県が実施している県内企業アンケートでも、「エネルギーコストや人件費(の高騰は)転嫁しにくい」との声があり、企業が価格交渉をする際に有効活用できるツールの必要性が浮かんだという。県の担当者は「価格の推移は、日銀の企業物価指数で分かるが、専門的で難しく、各企業が情報を入手してまとめるのは負担が大きい」と話した。
県は22年9月、県内の経済団体などと連携協定を締結。国が進める、大企業と中小企業の取引価格の適正化を促す「パートナーシップ構築宣言」を企業に促している。また、宣言の実効性を確保するため、23年2月、中小企業診断士が宣言企業を回ってヒアリングする取り組みも始めた。【岡礼子】
原材料価格の推移が分かる 中小の価格交渉支援、埼玉県がツール開発 - 毎日新聞
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