3月下旬、エビフライの原材料にバッタが含まれているかのような投稿があり、ツイッター上で拡散し「昆虫食?」と誤解した人もいたが、誤りだ。(ファクトチェックの判定基準)【中嶋真希】
拡散したのは、原材料に「バッタミックス粉」と表示された「プリプリえびフライ 180円」の画像。スーパーの総菜コーナーなどで見かける透明のプラスチック容器に入った商品だ。
投稿者が手を加えたのだろうか、ラベルに表示された「バッタミックス粉」の文字は赤枠で強調され、製造元は黒塗りにされていた。
一方、この投稿に続き、インターネット上で売られている食用昆虫の詰め合わせ商品「バッタ ミックス」の画像が別のユーザーによって投稿され、二つの画像がほぼ同時に拡散した。
これらを見た人が「とうとうスーパーのお総菜に」「絶対買わない」などと反応。「気持ち悪すぎだろ」との反応は175万回以上表示され、8300件以上の「いいね」が付くなど、「バッタがミックスされた粉がエビフライに使われている」との受け止め方が広がった。
こうした状況に対し、ラベル表示された「バッタミックス粉」は、主に業務用として流通している揚げ物の衣用生地「バッターミックス」のことだとする指摘がツイッター上で相次いだ。
バッターミックスは小麦粉や卵、水などを混ぜたもので、「衣用生地」を意味する英語「batter」に由来し、昆虫の「バッタ」(grasshopper/locust)とは関係がない。
ラベルに表示された「バッタミックス粉」は、「パン粉」「食用大豆油」「打ち粉」などと並んで明示されていることから、衣用生地の「バッターミックス」である蓋然(がいぜん)性が高いと考えるのが自然だ。
また、画像を投稿したとみられるユーザーたちが、相次ぐ指摘を受けて自身の誤解を認めた上で問題となった投稿をそれぞれ削除しており、「エビフライの原材料にバッタが含まれる」との情報は誤りと判断した。
国の食品表示基準は、2種類以上の原料を用いた「複合原材料」について、重量の割合の高い順にカッコを付けて原材料を表示することを義務付ける。ただ、マヨネーズのように一般的に原材料が明らかな場合などは省略できる。
消費者庁の担当者は「バッターミックスが一般的な製品だと業者が判断して原材料を表示しないこともあり得るが、マヨネーズほどの知名度があるかは疑問。消費者に誤解を与えるのではないかと迷ったら、小麦などの原材料を表示するのが親切です」と話した。
ファクトチェック:「昆虫食?」SNSで拡散 「エビフライ原材料にバッタ」は誤り - 毎日新聞
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