[東京 15日 ロイター] - スズキの鈴木俊宏社長は15日の決算会見で、原材料価格などが高騰する中、その高騰分を吸収して利益を確保するため、今後は適切な時期に国内で四輪全車種で値上げする必要があるとの見解を示した。2024年3月期の最大のリスクについては「半導体不足」と指摘。その他の懸念としては原材料高や円高傾向、世界的な景気後退も挙げた。
同社はこれまで、原材料やエネルギーの高騰を理由とした値上げについて、海外では実施してきたが、国内では実施しておらず、価格改定は商品価値を高めた仕様変更や全面改良などのタイミングにとどめていた。
鈴木社長は、ユーザーの生活の足となる軽自動車などが販売の中心であるスズキは「国内での値上げはなかなか難しいと言われてきた」と説明。だが、「儲からない事業をやるわけにはいかない。適正な利益をいただくための価格改定は、やはりやっていかなければいけない」と述べた。
ホンダなど同業他社も原材料や物流費などの高騰を受け、国内での値上げに踏み切っており、スズキとしても外部環境の変化に対して顧客の理解を求める「しっかりとした値上げの実施段階にきている」と語った。
値上げ対象車について、鈴木社長は「全車種で値上げしていかないといけない状況にある」と話し、実施の時期は「社内で議論している」とした上で、「適切な時期に値上げする」との方針を示した。
2024年3月期(今期)の四輪の世界生産は前期比1.6%増の326万3000台と微増を見込む。鈴木社長は「半導体不足で先が見通しにくい」と指摘。23年4─6月期の国内生産は「(社内計画の)90%を切る状態が続いている」といい、「慎重な計画になっている」と話した。
同時に発表した今期の連結営業利益は同5.9%減の3300億円となる見通し。円高や原材料高が利益を圧迫するほか、電動化や脱炭素対応などの成長投資がかさむ。今期の世界販売は6.2%増の318万6000台を計画する。会社の営業利益予想は、IBESがまとめたアナリスト19人の予測平均3763億円を下回った。
スズキ社長、国内四輪「値上げ実施段階」 原材料高でも利益確保 - ロイター (Reuters Japan)
Read More
No comments:
Post a Comment