住友電工は今月、産業用ゴム電線の全顧客・全製品を対象として、3~5%の値戻しを打ち出した。産業用ゴム電線は産業設備の移動部分などに用いる電線で、高い柔軟性などが特長。めっき材料として使う錫に加えて、被覆用の樹脂材料の価格が高騰。加えて物流費も高水準となっており、収益を圧迫している。同社では生産現場で効率化を推し進めるなど原価低減に注力してきたが、自助努力だけではコスト増を吸収しきれない状況。適正収益の確保に向けて、原材料・運賃の高騰によるコスト増分の一部を、製品価格として顧客に転嫁する。 高水準となっている導体材料の銅の価格については、タイムラグがあるものの、おおむね製品価格への転嫁ができている状況となっている。 一方で通電信頼性を向上させるため電気導体にめっきする錫の価格高騰が収益を圧迫。加えて被覆に使う樹脂材料のエチレンプロピレンジエンゴムやクロロプレンゴムなどについては、原料メーカーからの相次ぐ値上げ要請があるが、ケーブル価格への転嫁が追い付いていない。さらに物流費では、トラック輸送・船便ともに高値が継続。ケーブル価格への十分な転嫁ができていない。 同社の産業用ゴム電線は複合的なコスト増を受けて、現状では適正収益の確保が困難な状況にある。定期的な設備の修繕や更新などで、安定供給体制を担保するには、今回の価格転嫁が不可欠。そのためケーブル価格の値戻しを打ち出した。値戻しの幅は足元の契約条件によって異なるが、3~5%となる。 産業用ゴム電線を住友電工ブランド化した2014年以降では、初の値戻しとなる。同社では可能な限り早期の浸透を目指していく考えだ。
住友電工、産業用ゴム電線全製品値戻し。原材料など高騰で3~5%(鉄鋼新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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