福島県いわき市の中山間地域、川前地区で地ビールが誕生した。同市出身の地域おこし協力隊三戸大輔さん(34)が中心となり、地元農家らが原材料の生産に取り組んだ。人口減に悩む地域の活性化に向け、数年後の商品化を目指す。
完成した地ビールの名前は「KAWAMALE(カワマエール)」。地区名とビール系飲料の種類を示す「エール」を合わせ、地元を応援する「エール」の意味も込めた。アルコール度数5%の発泡酒で、飲みやすく、フルーティーな味わいに仕上げた。
原材料の麦芽、小麦、ホップの生産には、地元の農家らが協力した。同地区には50年ほど前、大麦をビールメーカーに納めていた歴史があったといい、休耕田を活用して2020年冬に栽培を始めた。
三戸さんはオーストラリアを訪れた際にビール造りに興味を持ち、その後、ドイツや広島県で製造法を学んだ。身に付けたノウハウを地元に還元しようと、20年6月に協力隊員として着任。地域住民に地ビール造りへの協力を呼び掛けてきた。
人口わずか902、高齢化率50%超
川前地区の人口(21年12月現在)は902。ピークだった1960年ごろの4分の1に減り、高齢化率は50%を超える。2019年の台風19号や新型コロナウイルスの影響で交流人口も減少し、地域の活力をどう維持していくかが課題となっている。
「いわきを代表する地ビールを造りたい。同じ考えを持つ仲間を増やし、川前の名を全国に発信したい」と意気込む三戸さん。来年3月の協力隊任期終了後には地区に定住し、発泡酒の醸造免許を取得して醸造施設を構える計画だ。
カワマエールは16日に開かれる地区の新春の集いでお披露目され、住民に配られる。
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いわきの中山間地域に地ビール 地元農家が原材料生産、商品化へ - 河北新報オンライン
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