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Monday, June 27, 2022

「作れば作るほど…」農家ら苦悩 原材料高騰でも価格転嫁できず - 毎日新聞 - 毎日新聞

収穫されたダイコンを確認しながら打ち合わせをする大津泰裕さん(左)と金井峻亮さん=八街市で2022年6月2日午後2時4分、山本佳孝撮影 拡大
収穫されたダイコンを確認しながら打ち合わせをする大津泰裕さん(左)と金井峻亮さん=八街市で2022年6月2日午後2時4分、山本佳孝撮影

 参院選の争点の一つがウクライナ情勢や円安などを背景とした物価の高騰だ。足元では消費者物価指数がじわじわと上昇している。ただ、生産や流通の現場を取材すると、価格転嫁に苦しむ業者の実情も見えてきた。【山本佳孝】

 「作れば作るほど収益が圧迫される」

 千葉県八街市で農業を営む「大津ファーム」の大津泰裕さん(39)は、大量のダイコンを前にため息をついた。糖度が高く、取引先からも「おろしても辛くない」と評判だが、今は売ってもほとんど利益が出ないという。原因は原材料価格の高騰だ。

 異変を感じたのは昨年秋ごろ。新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復などを受け、原油の価格が上がり始めた。トラクターに使う軽油に加え、ビニールシートや段ボール、肥料までもが従来より2~3割高騰した。

 本来ならば、コストがかさむ分、販売価格に転嫁したいところだ。だが、そうはいかない事情があるという。

 大津さんによると、野菜の価格決定には、大手小売りチェーンが強い影響力を持っている。不作による供給不足などの特別な事情がなければ、農家の側から値上げをお願いするのは難しいという。

 今年に入ると、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、原油高に拍車がかかった。更に、急激な円安の進行が追い打ちをかける。約15人の従業員を雇用している大津さんは「人件費を削ることはできない。切り詰める部分がない」と頭を抱える。

 苦しいのは1次産業だけでない。大津さんの取引先で同じ八街市にある野菜卸売会社「ルート」の金井峻亮社長(36)が最も気にしているのは、電気料金の動向だ。

 同社は国内外から野菜を仕入れ、スーパーや飲食店などに販売している。計約300トンの野菜を貯蔵できる冷蔵庫5台備え、顧客の注文にいつでも応えることができるのが売りだ。その分、大量の電気を使うことになる。

 原油高などのあおりで、電気料金はじわじわと上昇している。昨年は70万~80万円ほどだった冷蔵庫にかかる月の電気代が、100万円を超える見込みだ。段ボールや袋などの資材も含めて今後も値上げが予想されるなど、逆風が収まる気配はない。

 「今は我慢比べだが、下がる見通しがないのがつらい」。金井さんはうつむいた。

 東京商工リサーチが4月、県内企業を対象として、ウクライナ情勢によってどんな影響を受けているのか尋ねたところ、回答した111社の約7割にあたる81社が「原油高騰に伴う利益圧迫」と答えた。一方、コスト増に伴う価格転嫁については、回答のあった98社のうち69社が「できていない」とした。

 東京商工リサーチの担当者は「消費者に近いスーパーなどは価格転嫁に苦慮しており、仕入れ元の値上げに応じられない事情がある。消費者が値上げを受け入れる流れができないと難しい」と話す。

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