日産自動車は7月28日、2022年度第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表した。それによると、売上高は前年同期比6.4%増の2兆1373億円、営業利益が同14.2%減の649億円、純利益が同58.9%減の471億円だった。
「引き続き新型コロナウィルス感染拡大に優先的に取り組む中、長引く半導体の供給不足、原材料価格の高騰、中国でのロックダウンの影響により、サプライチェーンが逼迫し、生産に影響した結果、お客様への納車に遅れが生じている。一方、為替レートが好転したことは追い風となった。当社は日産NEXTの継続的な徹底により、これまでの勢いを維持することができた」とアシュワニ・グプタCOOは第1四半期を振り返り、向かい風と追い風が混在する状況だったという。
特に業績の足を引っ張ったのが上海ロックダウンで、部品の供給が追いつかず、思うような生産ができなかった。その結果、グローバル販売台数が81万9000台と前年同期に比べて21.8%減(22万9000台)も落ち込んでしまった。現在はサプライヤーも全社稼働を再開しており、100%の操業レベルに戻ったそうだ。
また、円安による為替の押し上げ効果が257億円あったものの、鋼材や樹脂といった原材料価格の高騰が前年同期に比べて507億円の減益要因となり、営業利益を押し下げた。そこで、原料価格の高騰への対応として、貴金属の使用量が少ない新世代の触媒や、コバルトを使わないバッテリーの開発などの取り組みを進めている。さらに、鉱山からの直接調達も行っていく。
半導体不足についても、想定以上に供給不足が長引いていることから、代替部品の開発を進めるとともに、日産専用の使用から汎用品への切り替えを進めている。「中長期の生産見直しをサプライヤーに提示し、その見直しに沿って確実な供給を得られるように取り組んでいく」とグプタCOOは話す。
一方、事業構造改革「日産NEXT」で掲げている販売の質の向上については、着実に成果を上げているとのことだ。例えば、国内では『ノート』『オーラ』のセグメントシェアが17%に達したうえ、台当たりの売上高も4%増加した。中国、米国、欧州でも同様で、それぞれ台当たりの売上高が22%、19%、26%も増えた。
そのほか、6月16日から発売した新型軽自動車EV『サクラ』について、受注が2万3000台にのぼったことを明らかにし、「新型『エクストレイル』も大変好評で、販売店もお客さまの反応に非常に手応えを感じている」とグプタCOO。
通期の業績予想については、売上高が前期比18.7%増の10兆円、営業利益が同1.1%増の2500億円、当期純利益が同30.4%減の1500億円と前回公表値を据え置いた。ただ、自動車事業は赤字の状態が続いており、今期中に黒字転換を果たせるかどうかわからないそうだ。
日産、大幅な減益…上海ロックダウンと原材料価格の高騰が響いた 2022年4~6月期 - レスポンス
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