「農作物には、わが子のように愛情を持って『育てる』心が必要」。父親からそう教わってきたという滋賀県長浜市湖北町の農家、「シバタグラウンドミュージック」( https://sgm-kohoku.com/ )の柴田義範さん(40)。
そうして丹精を込めて収穫できた米や麦、大豆を、さらに自分たちでスイーツやパンにしたり、原材料に使ってもらう機会を広げたりすることで「穀物を作るだけでなく、食として循環させていける場に」と、妻・智香子さん(36)と毎週火曜(午前11時~午後4時)、カフェを開く。
猫の額ほどの小さな場所から、と名づけた湖北町小倉の「Catbit」は今年5月オープンした全6席の店だ。
ドーナツは小麦の全粒粉を使い、米油で揚げていてサクッと外の食感から心地よく、全体はふんわりとおいしい。豆乳のアイスは濃厚で大豆の味わいがしっかり。琵琶湖の形をしたビスケットには米粉、玄米粉、小麦粉が用いられている。
柴田さんが焼くハード系のパンを使った「農夫のホットドック」には、県立長浜農業高校で作られたソーセージが挟まれている。その上に、春には田んぼの畦で芽吹く香りのいい野草、カキドオシをのせると、またうまいそうだ。
ほかにも、ホットケーキやマフィン、スコーンなども。
柴田さんは15歳からギターを始め、イベントやバーでセッションを重ねる。店内には愛用のギターも飾られ、音楽をしている人も多く訪れる。
智香子さんは「小さなお店で距離感が近い分、コミュニケーションが生まれるのも楽しんでもらえたら」と話す。
■「湖のスコーレ」で食べる発酵メニューから
滋賀県長浜市元浜町の「湖のスコーレ」( https://www.umi-no-schole.jp/ )は、食品や生活道具などのストアに、カフェ、チーズ製造室、チーズや味噌を造る体験教室などがある商業施設。
この中のカフェで「ハッピー太郎醸造所」( https://happytaro.jp/ )の製品を使った発酵食も食べられる。
「近江牛の伊吹山発酵カレー」には、醸造所の熟成味噌と甘酒が加えられている。サラダにも、米糀(こめこうじ)の粒がたっぷり入ったドレッシングがかかっていて面白い。
断面につぶつぶが見える「米糀チーズケーキ」には、米糀を生クリームと甘酒で煮込んだものが使われている。
火曜定休。カフェの営業時間は午前11時~午後5時。
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原材料から愛情こもる「農家スイーツ」:地域ニュース : 読売新聞 - 読売新聞オンライン
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