[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日に発表した7月の工業部門企業利益は、年初来の低い伸びとなった。高止まりする原材料価格と悪天候によるサプライチェーン(供給網)の制約に加え、新型コロナウイルスの感染拡大が製造業部門を圧迫した。
増益率の鈍化は5カ月連続。
最近発表された一連の経済指標同様、中国経済の勢いが弱まっていることが示された。当局は成長を下支えするために支援措置を継続する可能性が高い。
7月の工業部門企業利益は、前年比16.4%増の7036億7000万元(1085億1000万ドル)だった。伸び率は6月の20%を下回った。
中国経済は新型コロナ危機からいち早く回復した。ただ、企業がコスト高や供給網のボトルネックへの対応に苦慮し、消費者が引き続き支出に慎重になる中、回復の勢いは弱まっている。
市場では、増益率の鈍化を受けて、当局が緩和スタンスを維持もしくは強化するとの見方が浮上。中国人民銀行(中央銀行)は7月中旬に預金準備率を引き下げている。
華寶信託のエコノミスト、聶文氏は「経済ファンダメンタルズ面では、景気の減速が顕著になっており、当局は予防的に逆風に対処するため、マクロ経済政策を微調整するだろう。現在は中立的だが、緩和バイアスが掛かっている」と指摘。
「成長の鈍化が続けば、場合によっては、政府が量的措置を打ち出す可能性もある」と述べた。
国家統計局の朱虹氏は「工業部門企業の利益は全般的に安定した伸びを維持しているものの、企業収益の回復はまだらで不確実性があると認識する必要がある」と指摘した。
同氏は、7月の伸びが鈍化した理由として新型コロナ感染拡大や洪水発生、商品価格高による小規模企業の収益悪化を挙げた。
1─7月の工業部門企業利益は、昨年との比較によるベース効果で、前年同期比57.3%増加した。ただ、伸び率は1─6月の66.9%からは鈍化した。
7月末時点の工業部門企業の負債は前年同月比8.2%増。6月末時点の8.5%増から鈍化した。
中国工業部門企業利益、7月は16.4%増に鈍化 原材料高などで - ロイター (Reuters Japan)
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