昭和電工は18日、電子材料用高純度ガスと合成樹脂エマルジョン(分散系溶液)の価格を引き上げると発表した。このうち、電子材料用高純度ガスの価格は、現行価格から2割以上高くなる。
一方、合成樹脂エマルジョンは、建築材料用・接着剤用のEVA(エチレン・酢酸ビニル)系エマルジョンと、接着剤用(紙・木用接着)の酢酸ビニル系エマルジョンの2グレードを値上げする。EVA系エマルジョンは1キログラム当たり20円、酢酸ビニル系エマルジョンは同15円の値上がりとなる。合成樹脂エマルジョンの値上げは今年に入って3度目。
値上げを開始するのは、電子材料用高純度ガスは2022年1月1日以降に納入した分から。合成樹脂エマルジョンは21年12月1日の出荷分から。
電子材料用高純度ガスは、半導体やディスプレー、窒化ガリウム系発光ダイオード(LED)などの生産現場で、エッチングガスやクリーニングガスとして使われる。輸送コストや燃料、副資材などの価格が高騰して製造コストが増加した。
一方、合成樹脂エマルジョンは、主原料であるエチレンや酢酸ビニルの基となるナフサや酢酸の価格上昇が止まらない。原因は、原油市況や需給バランスの乱れだという。なお、昭和電工は合成樹脂エマルジョンを「ポリゾール」の商品名で販売している。
(日経クロステック 近岡裕)
[日経クロステック 2021年11月18日掲載]
原材料高騰 昭和電工、電子材料用ガスなど値上げ - 日本経済新聞
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