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Friday, November 12, 2021

バーバリーが生物多様性戦略を発表 原材料調達先の農場支援など - WWD JAPAN.com

 バーバリー(BURBERRY)は11月6日、環境保護活動の一環として生物多様性戦略を発表した。同社は今年6月、CO2の排出量よりも削減量の方が多いクライメート・ポジティブを2040年までに達成すると宣言しており、今回の発表はそれに続くもの。生物多様性はCOP26(コップ26)の主要な話題となっており、期間中に具体的なアクションプランを示すことで国際社会にアピールした。

 戦略のポイントは次の3点。①同社のバリューチェーン内外の自然環境の保護、回復②原材料を調達している農場コミュニティへの支援拡充③放牧や農業における再生可能な土地管理システムの適用。

 戦略を立てるにあたっては、英国のコンサルタント会社バイオダイバーシティ・コンサルタンシ―と共同でファッションビジネスにおける生物多様性の基礎評価を実施。その結果、生態系への影響が大きい要因をレザー、カシミア、ウールと特定し、同社のカーボンフットプリントにおいてもこれらが高い割合を占めていることを明らかにしたという。両社は共同で「自然に基づく解決策の原則とガイドライン」を策定。2020年に設立したバーバリー再生基金を通じて支援するプロジェクトに適用し、自然生態系の保護、回復、再生を目指す。また、非営利団体セイボリー研究所のプログラムを通じて、レザーのサプライチェーンにおける放牧地の再生と、そこに住む人々の生活基準の向上にも取り組む。

 パム・バティ=バーバリー コーポレート・リスポンシビリティ・バイスプレジデントは、二酸化炭素の排出量削減と同時に生物多様性戦略に取り組むことの重要性について次のように話している。「ネット・ゼロ・ターゲットは、測定可能で科学的根拠に基づいているため、今では多くの人が理解しているが、自然を取り戻すことにも同じ論理が当てはまる。その方法論はまだ確立されていないが、私たちはその議論に参加したいと考えた。私たちのプロセスや目標は、時間をかけて進化させていく必要があるが、確固たる基準ができるまで待つことはできない」。

 また自社のサプライチェーン以外の再生プロジェクトにも資金を投じており今年、LEAF連合に加盟した。同連合は、2030年までに熱帯林伐採を削減、終息させる取り組みを加速させるために設立された官民連合体でラグジュアリーブランドとしては同社が最初の加盟となる。「気候変動にポジティブであるためには、自社の取り組みを超えて活動することが重要だ」とバティ・バイスプレジデント。「再生基金の一部を保護と修復が切実に必要な地域の支援に使うことは、バーバリーが事業を行っているかどうかにかかわらず、戦略の重要な柱である」と説明する。さらに加盟するファッションパクトの一環としてはNGOと協力しモンゴルではヤギが草を食む草原を回復させるプロジェクトを、オーストラリアではカーボン・インセットや森林再生の取り組みを支援している。

 「気候変動は、将来の環境リスクであるだけでなく、現在世界中の何百万人もの人々に影響を与えている社会経済的な危機でもあり。自然を保護し、回復させ、再生させることは、次の世代のために地球を守るための鍵であり、私たちは野心的な意図を持ち、行動を重視したアプローチをしなければならない」とバーバリー会長であるジェリー・マーフィー(Gerry Murphy)博士は話している。

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