Rechercher dans ce blog

Friday, November 5, 2021

株式週間展望=供給制約と原材料高の「先」を意識、業績相場へ移行も - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス

 衆院選での予想を上回る自民党の勝利とFOMC(米連邦公開市場委員会)の無難な決着により、今週の日本株相場は堅調に推移した。日経平均株価は4日に2万9880円(当欄の前回予想レンジは2万8500-2万9500円)まで上昇。ただ、それでも海外勢の優先度は高まっていないとみられ、週末は戻り売りに押し戻された。一方、トヨタ自動車 <7203> の7-9月(23年3月期第2四半期)決算が好内容だった意味は大きい。来週は本格的な業績相場入りへのきっかけをつかみたいところだ。

<複数のリスク要素が緩和>

 国内政治と米金融政策、さらには企業業績をめぐる懸念が後退しつつある。自民が衆院選で単独絶対安定多数を維持し、来夏の参院選へ向けても勢いを得たことで、岸田政権の長期化が視野に入った。FOMCではテーパリング(金融緩和の縮小)がアナウンスされたものの、利上げ時期の想定は早まらなかった。この2つの材料によって、市場のリスク許容度は従来より広がった。

 さらに、トヨタが4日に発表した7-9月決算は、本業のもうけに当たる連結営業利益が市場予想を大きく上回り、通期計画も増額された。円安の追い風があったとはいえ、半導体不足などによる減産下での高収益は評価に値する。また、ばん回生産にもメドが付いたことで、幅広く安心感がもたらされた。

 実際、半導体の供給制約の改善をマーケットは意識し始めているようにも見える。ゲーム機「スイッチ」の販売台数を引き下げた任天堂 <7974> の株価は5日、前日比で大きく下げることなく切り返してプラス圏に浮上した。トヨタに関しては利益確定売りが膨らんでいるものの、需給は早晩安定すると考えられる。

 半導体をはじめとする部品の調達難や、物流費、原材料価格の上昇は、足元の企業業績に色濃く反映されている。それに伴う収益の伸び悩みや下方修正で急落する銘柄も相次いだ。しかし、半導体メモリーのDRAM価格は既にピークアウトしているほか、コンテナ船運賃も中国・上海発のスポット指数(SCFI)が下落に転じている。

<イラン核協議再開に注目>

 原油相場をめぐっては、産油国が増産に慎重だ。しかし、経済制裁により国際マーケットからはじき出されているイランが、EU(欧州連合)との核協議を再開することが決まった。一大産油国の同国には供給の余力が大きく、先物価格の上値を継続的に押さえる可能性がある。

 こうした状況を踏まえると、もはや株価には十分に織り込まれたかもしれない部品供給の制約や原材料高を、今後も懸念し続ける必要性は薄いとも考えられる。むしろ、高値圏にある一部の半導体関連株からの資金流出に備えるべきではないだろうか。

 本稿では5日日本時間夜発表の米10月雇用統計の内容を締め切り時間の都合で確認していない。再び早期利上げの観測に結び付けばやっかいだが、コモディティー価格の一服はインフレ不安の軽減要素としても注目される。

 来週は中国共産党の6中全会(8-11日)をはじめ、中国絡みのイベントが多い。10日には同国の10月消費者物価・生産者物価が発表されるほか、11日はインターネットセール「独身の日」が控える。国内では9日の10月景気ウオッチャー調査が出るほか、12日がオプションSQ(特別清算指数)に当たる。

 日経平均の予想レンジは2万9000-3万200円に引き上げる。マーケットが本格的に供給制約の先を見据え始めれば、業績相場の様相が強まる。一方、11日日本時間早朝にはMSCIスタンダード指数の定期見直しが発表される。前回5月(日本株は採用ゼロ・除外29銘柄)は需給悪化要因となっただけに注意が必要だ。

提供:モーニングスター社

Adblock test (Why?)


株式週間展望=供給制約と原材料高の「先」を意識、業績相場へ移行も - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス
Read More

No comments:

Post a Comment

ミツカン、納豆値上げ=6月から最大8%、原材料高 - ライブドアニュース - livedoor

 ミツカン(愛知県半田市)は1日、納豆商品の一部を6月1日から値上げすると発表した。  北米から輸入する大豆などの原材料や容器の価格が高騰しており、最大で約8%引き上げる。  主力商品の「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ 3P」は約6%引き上げる。2022年9月以来の...