原油高騰や原材料高の影響が、年末年始の食卓や食品業界を直撃している。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いたことによる需要回復が重なり、水産物を中心に鍋物やおせち料理に欠かせない食材の多くが高値傾向に。年明け以降、食材のさらなる値上がりを懸念する声が出ている。
二十五日、名古屋市熱田区の老舗練り物製造「魚又」。ガシャン、ガシャン。新年の料理や贈答用で人気のかまぼこ製造ラインで、板に盛られた朱色のすり身が次々と切断される。おでんのはんぺい需要も高まる年末は、一番の繁忙期だ。だが、社長の村瀬哲郎さん(54)は浮かない顔。主原料の米国産スケトウダラすり身が高騰しているためだ。背景には近年の世界的な魚介類の需要増がある。
すり身は「欧州や東南アジアで取り合いの状況」という。今年は魚の不漁が重なり、九月以降の輸入単価は、前年を二割以上、上回る。はんぺいの揚げ油高騰や人件費増もあり、卸価格を十月に数%上げた。
そこに原油高が直撃。燃料高で出漁が減れば、すり身のさらなる高騰が予想される。それでも「安い材料を使えば、食感にこだわったおいしさが変わってしまう。利益は減るが、再値上げするつもりはない」。昨...
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