2022年02月12日07時07分
【ニューヨーク時事】米国では、家庭用品や食品、飲食店など消費者への影響が大きい業種で値上げの動きが加速している。人手不足を背景に賃金が上昇しているほか、原材料費や輸送費の増加が止まらないためだ。バイデン政権は、低所得世帯を中心に消費者の生活を圧迫するとの懸念を深めている。
米家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は昨年、おむつや生理用品などの値上げに踏み切った。今年2月末には洗濯用洗剤や柔軟剤など、4月には個人向けヘルスケア商品の価格も引き上げる計画。それでもコスト増に追い付かず、2022年6月期は、26億ドル(約3000億円)利益を押し下げる見通しだ。
シュルテン最高財務責任者は、新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大が、サプライチェーン(供給網)混乱による原材料高に拍車を掛ける恐れがあると指摘。「短期的にはインフレ圧力が弱まる兆しはない」と話す。
漂白剤などで知られる同業のクロロックスも今月、商品全体の70%としていた値上げ対象を85%に拡大する方針を表明。同社幹部は「さらなる値上げ準備」に言及した。
飲食店では、欧米で約3000店舗を展開する米メキシコ料理チェーンのチポトレ・メキシカン・グリルが昨年12月、牛肉価格や人件費の上昇を受けて4%値上げした。ニコル最高経営責任者は「価格高騰は続いている」と述べ、追加値上げを示唆している。
こうした生活必需品や食料品での価格転嫁が進めば、消費者の生活を脅かしかねない。バイデン政権は10日、インフレ抑制に「総力を挙げる」との声明を発表した。サプライチェーンの強化や食品加工を支援する方針を表明。「便乗値上げ」を警戒する姿勢も示している。
家庭用品の値上げ加速 原材料高、生活を圧迫―米 - 時事通信ニュース
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