欧米Stellantis(ステランティス)は2021年11月29日、オーストラリアVulcan Energy Resources(バルカン・エナジー)と電気自動車(EV)用電池の原材料として水酸化リチウム(LiOH)の調達契約を締結したと発表した。契約期間は5年間で、最低8万1000トン、最大9万9000トンを調達する。バルカン・エナジーは2026年から供給を開始する予定。
バルカン・エナジーは、EVのサプライチェーンを脱炭素化するため、温室効果ガスの排出量が正味ゼロの世界初のリチウム生産会社になることを目指している。今回の調達契約は、ステランティスが21年7月に発表した電動化戦略の一部であり、電動車向け電池パックの主要原材料を持続可能な方法で確保できるようにするもの。
バルカン・エナジーは、ドイツのライン川上流域で進めている「ゼロ・カーボン・リチウム・プロジェクト」で、欧州最大の深部塩水源と地熱を組み合わせ、電池向け品質の水酸化リチウムを生産する。これまでのLi生産は、炭素排出量と水の使用量が多い。これを再生可能エネルギーである地熱を使い、水の使用量を最小限に抑えることで、Liイオン電池生産の脱炭素化に寄与する。また、欧州で電池材料を生産することで輸送の時間を短縮し、コストを抑えられる。今回の契約は、ドイツでのLiOH生産の成功と完全な品質認定が条件となる。
ステランティスは、2030年までに欧州での販売台数の70%以上、米国での販売台数の40%以上を低排出ガス車(LEV)にする。そのため、ドイツを含む欧州と米国に5つの電池セル生産工場を建設し、合計260ギガワット時(GWh)の生産能力を持つ計画だ。
バルカン・エナジーから調達したLiOHは、欧州の3カ所(イタリア、ドイツ、フランス)の電池生産工場で使われる。2030年までに最低でも120GWhの電池を生産する予定。
ステランティスら、ドイツで持続可能なリチウム原材料生産プロジェクト - ITpro
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