県内の食品製造の現場が海外での需要の高まりを受けた原材料費の高騰に頭を悩ませている。一番の書入れ時となる年末年始を迎え、値上げをするかどうかの判断を迫られている。(12月14日)
敦賀市でかまぼこなどの練り製品を生産する小牧では、お歳暮や正月向けの生産がピークを迎え、12月は他の月の3倍ものかまぼこを作っている。高品質を売りにかまぼこの材料に使っている上質のスケソウダラは中国やインドなどでの需要の高まりで、今年は去年より1割以上値上がりしたという。
製造部の柴田浩幸部長は「今後のすり身の原料価格の値上げが今のよりも10パーセント、20パーセント上がる形になると値上げも視野に入れていかないといけない」と頭を悩ませている。原油高の影響も重なり、でんぷんや小麦、揚げ物に欠かせない油の値段も上がっていて経営に打撃を与えている。
「一番大きいのは油関係。今年の春ごろから比べると2倍くらいの価格になっている。揚げ物も作っているがその部分の価格帯をどうしようかという状況が続いている」。柴田部長は苦悩の結果、材料のロスを最大限減らすことで年末は価格を据え置くと決めた。
一方、越前市に本社を置くふじや食品は1日に10万個もの卵を使い、加工食品を中心にさまざまな商品を製造している。主力商品の1つが武生工場と関東工場で生産する茶わん蒸しで、ここでも具材の仕入れ価格に異変が起きている。
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響でエビや鶏肉の輸入が滞り、材料の確保が難しくなっているという。東南アジアの加工工場が稼働できない状況で価格が高騰し、同社では通常の1.5倍の量の製造が欠かせない年末年始にピンチを迎えている。
田中正人常務は「茶わん蒸しに使うエビと鶏肉、マツタケも多少上がっている。原材料以外で言うと、重油、電気もかなり上がってきている」とした上で、企業努力で商品の販売価格は据え置く方針を示した。「まだ改善できることがたくさんある。作り間違いとか過剰生産してしまったとか、廃棄ロスを削減できる」と話した。
原油高とコロナの感染拡大は県内の食品製造の現場にも打撃を与えている。
原材料費高騰 県内食品製造の現場にも打撃|NNNニュース - 日テレNEWS24
Read More
No comments:
Post a Comment