この新年度は、相次いで生活に身近なものが値上げされます。
食品では食用油や小麦粉、しょうゆや、もやしなど。これらを全部使っているのが、ラーメンです。
原材料の値上げに、大盛りが人気のラーメン店は、経営に頭を悩ませています。
(NHK水戸放送局 三輪知広記者)
【“若者をおなかいっぱいに”大盛が人気のラーメン店】
水戸市に3店舗ある「ラーメン富次郎」。
学生をはじめ、地元の人たちにおなかいっぱい食べてもらおうと、いわゆる「二郎インスパイア系」のラーメンを提供しています。
自家製の麺は、通常は150グラムですが、500グラムまで増量無料。
厚く切られたチャーシューに、もやしも1点6キロまで載せられるなど、大盛りメニューが人気です。
これで1杯830円という手頃な価格もあって、学生など若い世代に人気です。
【原材料が高騰、さらに値上げ】
しかし、店は今、このままのサービスを続けられるか岐路に立たされています。
原材料価格の高騰や物流コストの上昇などにより、麺に使う小麦をはじめ、肉やもやし、しょうゆなど、ラーメン作りに欠かせないほとんどの食材について、仕入れ業者から今後の値上げが通知されているのです。
これにより、ラーメン1杯あたりの材料費は現在よりも10%ほど高くなると見込まれています。
この事態に、週1回は訪れるという18歳の男性は、こう話します。
「安くていっぱい食べられるので学生には優しいお店です。おいしいので値段が上がっても通うと思いますが、もしも値段が上がってしまうと残念です」
【新型コロナで打撃 ようやくと思ったら】
茨城県は、3月21日をもって新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が解除されたばかりです。
客足がようやく戻りつつあるなか、ラーメンを値上げしたりボリュームを減らしたりすれば客が離れるおそれがあるとして、店主の富田剛史さんは、4月からも値段を据え置くことを決めました。
(店主の富田剛史さん)
「材料費がすべて上がってしまうので正直言って厳しいです。でも、たくさん食べたいという、お客さまを裏切るようなことはできません」
【「盛り」と「価格」を守る】
麺と具材の量、いわゆる「盛り」が、その代名詞ともなっている二郎インスパイア系ラーメン。
富田さんは、当面は、店員の人数を減らしたり、来店者数を予測して材料にむだが出ないようにして、経費を抑えることにしています。
(店主の富田剛史さん)
「スタッフにも協力してもらい、なんとか頑張っていこうと思っています。いまは夜かもしれないけれど、ここを耐えて、耐えしのんでいけば、必ず朝は来ますから」
【値上げの春 食品以外も】
値上げが続いているのは、食品だけではありません。
ウクライナ情勢の緊迫化などによる燃料の輸入価格の上昇などで、電気料金やガス料金も値上がりが続いています。
さらに、ティッシュペーパーなど家庭向けの紙製品、乗用車などのタイヤなども値上げされ、家計を一段と圧迫することになりそうです。
学生の胃袋支えるラーメン店 原材料高騰で悩みもマシマシ|NHK 茨城県のニュース - nhk.or.jp
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