クリスマスシーズンを迎え、ケーキやプレゼントを購入する人が増える中、道内の洋菓子店では原材料費の高騰でケーキの値上げに踏み切る店が相次いでいます。
民間の信用調査会社「帝国データバンク」によりますと、ことしのクリスマスケーキは原材料費が高騰していることから、平均価格が４４６８円と去年より３００円あまり高くなっていて、道内でも値上げが相次いでいます。
このうち札幌市白石区の洋菓子店では、８種類のクリスマスケーキを取り扱っていて、最も人気があるいちごと生クリームのケーキは５号サイズで４８００円と去年から３００円値上げし、ほかのケーキについても２００円から６００円程度価格を引き上げました。
店によりますと、ケーキに欠かせない生クリームやバター、卵のほかいちごなどの仕入れ価格がいずれも上昇していて、味や品質を維持するために値上げに踏み切ったということです。
一方、予約についてはサイズの大きなホールケーキの予約が好調で、クリスマス期間に引き渡す分はすでに埋まっているということです。
クリスマスケーキを予約したという札幌市の５０代の女性は「さらに値上げされるとサイズを小さくすることも考えてしまいます。クリスマスにはケーキが欠かせないので、家族でケーキを食べることが楽しみです」と話していました。
「きのとや白石本店」の本田竜太本店長は「値上げをせずに提供できればよかったのですが、原材料から配送コストに至るまですべてが高騰する中、値上げせざるを得ない状況でした。値段が高いという声もありますが、その中でも当社のケーキを選んで予約してくれて、大変ありがたいです。１年に１回のクリスマスなのでケーキを囲んで笑顔になってほしいです」と話していました。
【街の人は】
物価高が続く中で迎えることしのクリスマスについて、札幌市内では工夫して節約したいという声が聞かれました。
５０代の男性は「クリスマスにはいつも外食していましたがことしはできなくなると思います。切り詰められるところは切り詰めて、家でゆっくり過ごすなど、つつましいクリスマスにしたいです」と話していました。
旭川市から仕事で訪れたという２０代の男性は「クリスマスケーキの値段が高くなっているので、大人数で集まってホールケーキを買い、割り勘することで安く済ませようと思います。生活費が上がっている分クリスマスに回すお金がないので、できる範囲で楽しみたいです」と話していました。
【ケーキ値上げの背景に原材料費の高騰】
「帝国データバンク」によりますと、クリスマスケーキを去年から値上げした企業は８割を超えていて、２年前と比べると５００円以上値上がりしています。
背景にはケーキの原材料費の高騰があり、去年から▽卵が２９％、▽牛乳が１９％、▽バターが１２％、▽いちごが６％から５０％ほど値上がりしていて、聞き取り調査に対し「例年通りの価格では利益が見込めない」という声が相次いだということです。
帝国データバンクは「４年ぶりに新型コロナの制限がないクリスマスを迎えることから消費者の財布のひもが緩むことを期待する声もあるが相次ぐ値上げで消費者の節約志向も強くなっている」としています。
まもなくクリスマス 原材料費高騰でケーキ値上げ相次ぐ｜NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp
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